「無料+広告」の臨界点

http://akihitok.typepad.jp/blog/2007/12/post_6de0.html
メディアだろうがサービスだろうが近年のWebビジネスは須らく広告モデルを採用します。Web 2.0だとかなんだとか色々ありますが、GooglemixiYahoo!はてなもみんな広告モデルをメインにしてビジネスを回しています。新しいサービスやらなんやらのリリースでよく見るのが「無料で提供、収益は広告」という文言なわけですが、はっきり言ってそのうち市場は飽和します。
インターネット広告が伸びている、とよく言われていて、これは一応、事実です。ただ、例えば日本に限って言えば、半分くらいはYahoo! Japanで、残りの大部分がリスティング広告です(すいません、比率は結構適当に言っています。ちゃんと調べないとね……)。そんな状況で残りのパイをどう分け合えと。さらに言うと、ネット広告はクリックやコンバージョンなどの効果をかなり厳密に追えるため、投資対効果をとことんまで追求することになります。結果、儲かりません。
さて、Webの世界でのビジネスモデルというのは昔から3つしかない、と言われてきました。すなわち

  • 広告
  • EC(Eコマース)
  • 課金

です。広告は言わずもがな、ECで有名なのは楽天市場あたりでしょうか(あれはECの元締め業ですが)。課金はケータイ向けの公式サイトで長いこと主流だったビジネスモデルですね。現状、本当にこれ以外にない。これは結構シビアな問題です。
で、上記の記事なわけですが。海外なんかだとWSJ.comすら無料にしやがれ!とマードックさんが言い続けるなど、メディアに関しては「無料+広告」が当たり前だよね的な方向に向かっています。日本でも先日の週刊ダイヤモンド「新聞没落」を待つまでもなく、IT関連以外の、新聞系やビジネス系メディアも続々、Webに「無料+広告」で参入してきています。そうした中で、非広告モデルのひとつ、課金をメディアとしてやるというのは、かなりユニークな試みです。
Webの世界では無料でコンテンツやサービスが手に入るのがあまりにも当たり前になりすぎていて感覚が麻痺してきています。今さら課金システムに戻そうとして、どれだけのモデルが回るのでしょうか。上記は稀有な成功例だと思います。
ニコニコ動画のビジネス的な可能性とかなんとか色々言われていますが、アレは広告と、(実態はAmazonへのアフィリエイトではあるが)ECと、有料会員の課金という3つのモデルを併用しているという点で、結構注目に値します。ニコニコくらいバリューのあるサービスなら、月500円とかなら払ってもいいよという人が(僕を含めて)結構いるという事実は、ほんのちょっとだけ希望が持てます。いや、これもニコニコだから、と言われればそれまでですが。
Webの世界、あんまりお金儲けしようという人はいないんですが、お金が回らないとコンテンツもサービスも持続しない。ロングテールGoogleAmazonといった元締めが儲かるだけなので、そろそろブレイクスルーが必要なんじゃないかなあと思う今日この頃です。
久々に推敲なしの一発書き。誤字脱字事実誤認はご容赦です><