Woman with a Lute

上野のフェルメール展に行ってきました。7枚も来るとか結構すごいね。絵画芸術が直前でキャンセルになったんだけど、あれは見たことあるから問題なし。今まであんまり好きじゃなかったんだけど、「リュート調弦する女」、実物を見るとその凄まじさに心奪われた。窓の外をふと見たその瞬間を切り取った素晴らしい絵だと思う。いやすごかった。なんで好きじゃなかったのかというと、書籍などの印刷物で見ると、この作品は異常に暗いんですね。保存状態が非常に悪く、根強く贋作疑惑が付きまとうほど(今ではほぼ真作であろう、といわれていますが)。でも実際に見ると、その保存状態の悪さ、異常なまでの画面の暗さが、逆に窓に目を向ける女の顔に当たる光を際立たせています。好きだなあこの絵。
これでフェルメール作品は「マルタとマリアの家のキリスト」「ディアナとニンフたち」「小路」「紳士とワインを飲む女」「牛乳を注ぐ女」「ワイングラスを持つ娘」「リュート調弦する女」「真珠の首飾りの少女」「絵画芸術」「手紙を書く婦人と召使い」「ヴァージナルの前に座る若い女」の11作品を見たことになる。フェルメールの作品は35点前後(研究者によって分かれる)なので、あと20強か。生きてるうちに全部見るのが夢です。一番好きな「天秤を持つ女」だけは死んでも見なければ(ワシントンか……)。