編集後記

ある日の編集会議、Y編集長は唐突にいった。
「特集をやろう」
1週間後、企画コンペが開かれた。4月にやるなら、この特集以外は考えられなかった。新しい時代の到来を告げる特集だ。
4月は「新人向け」の記事や企画が増えることが容易に想像された。だからこそ、本企画は「新人を迎え入れる大人向け」の企画とした。
いつの時代も世代間ギャップは興味を引く。しかし、大抵の場合「ゆとり世代がやってくる」という内容に終始する。くだらない。そもそも今年の新人はまだゆとり世代ではないのである(しつこいようだが、ここは強調したかった)。
そんなことより重要なことがある。今年はIT業界にとって転機なのである。誰も気付いていないようだったので、特集タイトルに据えてみた。そう、今年は「彼ら」が本格的に働き始める年なのである。
ナナロク世代から10年。「ハチロク世代」がやってくる。
インターネットの普及と共に歩んだ小学生時代。ケータイ文化が花開いた中学生時代。インターネット黎明期の高校時代。そして、Web 2.0全盛期の大学時代。ハードウェアの普及とともに歩んだ上司たちや、ソフトウェアの普及と共に歩んだ先輩たちとの間に、「IT」という言葉に対する意識のギャップがあるのは当然だ。
彼らの生まれ育った歴史を探る。彼らと向き合う方法を知る。彼らとぶつかり合った記録を共有する。彼らを採る企業の意志を読み解く。そして、彼ら自身と語り合う。
たった5本の記事を作るのに、1カ月以上の時間を費やした。そして、この特集を公開している、まさにそのときに、自分の元にも新人が研修生としてやってきた。
彼らがITを変える日はもうすぐやってくる。そう信じている。わたしたちは、その胎動を直視し、その爆発を支持しよう。
そう。いつだって時代を変えるのは、無鉄砲な若者なのだから。

まあ

そういう俺も3つしか歳は違わないんだけどさ。