二宮ひかる/ナイーヴ(完全版)

ナイーヴ 1 完全版 (1) (ジェッツコミックス)

ナイーヴ 1 完全版 (1) (ジェッツコミックス)

ナイーヴ 2 完全版 (2) (ジェッツコミックス)

ナイーヴ 2 完全版 (2) (ジェッツコミックス)

安直に未来を壊したくないと思っている
時機を逃して 後悔することもまた怖れている

書店で見かけて我が目を疑った。まさかそんなものが出ているなんて知らなかった。買って帰って貪り読んだ。
初めてこの作品に出合ったのは、たしか高校1年生のときだったと思う。学校に誰かが持ってきていたのをたまたま読んで、ハマった。二宮ひかるの作品を読むようになったきっかけがこの作品だ。
あれから9年近く。ガキだった当時の自分はどう読んでいたか、うっすらとしか思い出せないが、そこに恐ろしいまでの何かを感じ取ったことだけは覚えている。いまもガキだが、主人公の年齢にかなり近付いているだけに、違った見え方をしている――ような気がする。
女はよく分からない、と男は感じ、男はこわい、と女は感じている。でもそれは言葉通りではなくて、当時は違和感を感じた。いまなら少し分かる気がする。そう、僕らはみんな、こんな歳になっても、未来がよく分からなくて、こわいのだ。
それをこの作品は否定しない。肯定する。救いを見出す。分からなくてこわい「何か」を肯定すること。この歳になってようやく、その意味が見えた気がする。
読んだことのない方はお勧めです。ただし内容はえろえろなので電車の中とかでは読まないように注意だ。