SUGER IS PUBESCENT 2

シュガーはお年頃 2 (ヤングキングコミックス)

シュガーはお年頃 2 (ヤングキングコミックス)

2巻だ!
1巻のレビューでも書いたが、俺は本当にこの作者が大好きで、読むといつも腹の中がぐりんぐりん掻き乱されるような気がする。本当に素晴らしい。
で、2巻である。
相変わらず、浅見さんは従来の二宮漫画的ヒロインを演じてくれている。本田君はますます、従来の二宮漫画的主人公の立ち位置にいながらヘタれていっている。
畑中さんは常に、その物語の外にいる。なるほど、本作品の主人公である畑中さんは、二宮漫画をこれまで読んできた読者の視点なわけだ。「本当のこと」なんて分からない。聞いてみたら「なぁんだ」ということ、らしい。でも、どこまでもどこまでも真実は隠されていて、そもそも「本当のこと」なんて、伝えることができないのだ。
特別な存在になりたい、という畑中さんの願望は、二宮漫画を読む読者の視点とオーバーラップする。二宮漫画的ヒロイン(あるいは主人公)にこれまで読者が感じていたのは、そんな渇望ではなかったか。
本作品は、従来の作品に比べて途方もなく「軽い」。それは視点である畑中さんが当事者ではないからだ。そして、当事者ではないが故に「特別な存在」となれたことに満足し、「本当のこと」が暴走した時には、すでに手遅れになる。かくして3巻に続く。
あまりにも甘く軽い表層に惑わされるなかれ。この作品、かつてないほどに毒に塗れている。「本当のこと」を知りたいと思い、「本当のこと」なんて知っても役に立たないと感じる畑中さん=読者に対して、その欺瞞と偽善を暴く――そんな展開が、あると、いいなあ。という妄想。