7と嘘吐きオンライン / この靴しりませんか？ / 鬼灯さん家のアネキ

7と嘘吐きオンライン

それはあくまでレッテルなんだ…
誰かが勝手に貼り付けた紙でしょ…
えと…
だから柏木さんはそんなに あの へこまなくてもいーんだよ…
そんな紙きれが何千枚集まったところで…
柏木さんにはならない…でしょ…
柏木さんは柏木さんでしょ

7と嘘吐きオンライン―HERO個人作品集―(ガンガンコミックスONLINE)

名作Webコミック「堀さんと宮村くん」の作者が自サイトおよびpixivに投稿した3つの掌編を書籍化したもの。
Twitter（オンライン）と学校（リアル）が舞台の表題作「7と嘘吐きオンライン」も、絵描きという夢を折り畳む“誰か”の物語「臆病色にひかるキャンバス」も良いのだが、とにかく「レッテルのある教室」が素晴らしい。
オンライン上で張られるさまざまなコメントやタグのようなものが「背中に貼ってあるように見えたら？」という驚くべき設定と、そこから紡がれる小さな物語のなんと輝いて見えることか！
HEROさんのこの綱渡りのようなバランス感覚はどこから出てくるのだろう。まったくもってとんでもない漫画家（と言ってしまおう）である。

この靴しりませんか？

片靴のリアルな手触りにどきどきする
まるで
片思いみたいだ

この靴しりませんか？ (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)

水谷フーカは本当にいいな！
ということで百合である。百合アンソロとして一部に絶大な人気を誇る「つぼみ」に掲載されたものを集めた短編集。百合はいいなあ！
「片方の靴」というシンデレラモチーフを、お互い女の子なので、両方に与えてしまうという表題作のアクロバティックな設定は大変よろしいと思います。

鬼灯さん家のアネキ（2）

ねぇ吾朗ちゃん
よく見ててね
ほら
星がこんなに綺麗

鬼灯さん家のアネキ　（２） (角川コミックス・エース・エクストラ 22-2)

姉が大好きな弟と、弟をからかうのが大好きな姉によるアホエロコメディ……のはずなんだけど、読み込むとすげえアネキの心情とかがグッとくる良い話。あれ、おかしいな……基本的にはアホやってるだけなんだけどな……という狐に抓まれたような感想を持つこと請け合い。
特にこの2巻では、弟こと吾朗の「過去」と、姉ことハルが「姉をやる理由」が見えてくるので、余計に通常のアホな掛け合いが見ててグッとくる。あれ、おかしいな……。
世界は綺麗で楽しいんだよ、と少しずつ弟に教えていく姉の姿は美しい。俺も姉が欲しい。
あと弟のクラスメイトの水野さんが可愛い。そんな感じ。