ファムファタル / 煩悩寺 / アイであそぶ。

ファムファタル〜運命の女(3)

彼女の
何もかもがわからないけど
わかったと言って終わらせてしまいたくはない
だって
…それはなんだか勿体ない

ファムファタル 3―運命の女 (電撃コミックス)

ファムファタル 3―運命の女 (電撃コミックス)

完結したね。
シギサワカヤは不思議なテンションのシリアスなんだかギャグなんだかわからない、ひきつった笑いを提供してくれる素敵な漫画家だ。
で、どうにもこう、1巻と2巻でトラウマを抉られすぎて吐きそうになりながら読んでいたこの作品も、あら不思議、3巻はなんだか素直な気持ちで読めてしまった。
天然に見えて思慮深く、他人の思考に敏感なヒロイン海老沢さんの心情をはかるのは、凡庸で鈍感なハイくんには不可能である。俺にも不可能である。
それを、乗り越えるのではなく、肯定してくれるラストシーンは、大きな救いなのだと思う。
あと俺はやっぱり目つきの悪い女が好きだと再確認。

煩悩寺

「僕はうらやましいよ」
「……! 馬鹿にされると思った」
「何で? 人を好きになるのは良い事だよ。多分」

煩悩寺 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

煩悩寺 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

5年付き合った彼氏に振られたOLが、とある事情で(トイレを貸してもらうために)同じマンションの別の階に住む男の子の部屋=「煩悩寺」にお邪魔し、その珍妙な部屋と住人に魅かれて入り浸る、という、ええと粗筋を要約したらめちゃくちゃ謎な感じになったぞ? なんでだ。
もうとにかく小山田くんが良い奴かつ可愛すぎてどうしようもない。さすが秋★枝は由緒正しき眼鏡男子をよくわかっている。ブラボー。
っていうか煩悩寺に住みたい。そんな感じ。

アイであそぶ。

幸も不幸も混ぜあわせでやって来る
未来を知るも知らないも
大して変わりはないのだと知りました

アイであそぶ。―二宮ひかる作品集

アイであそぶ。―二宮ひかる作品集

リハビリの様子、って感じ。
絶筆期間→『シュガーはお年頃』で好き放題、を経て最近はどうですか二宮ひかる、という流れな短編集。それ以前のも載ってるけど。
傷口を抉るような話は少なくて、さらりと流せる話が多い。短めのお話中心。いいね。